チタン系材料による新刃物の開発
 
試作品1(包丁)
*色付きのものは陽極酸化を施したもの

1.使用された技術

・「チタン系金属の肉盛溶接方法」(特許3513374号)は、鋼材にチタンを肉盛溶接する際に銅を下盛する事で、複雑形状部材を溶接してもわれの発生がなく良好な品質の製品が得られる技術です。
・「異材継ぎ手の製造方法」(特許2592372号)は、チタン系やジルコニウム系、ステンレス系の異なった材料の間に中間層を介在させてクラッド材を構成する異材継ぎ手を製造する技術です。

2.適用した事例
(越前市:武生特殊鋼材㈱殿)

 武生特殊鋼材(株)では、軽くて錆びないチタンクラッド刃物材の開発を手がけています。しかし、刃物材は高温で熱処理を行うため鋼材の境界部で剥離し商品化が困難であるとの課題がありました。そこで原子力機構の上記特許を利用して、従来の問題点であった境界部が剥離せず、軽くて錆びない新刃物(包丁、はさみなど)が開発されました。
 原子力機構との研究開発では、接合不良部と層間剥離部の分析評価から始まり、予備試験として溶接条件、熱処理条件の見極めのため、各種インサート材と素材の組合せ試験を1年間かけ検討し、さらに1年間、成果展開事業にて商品開発のための試作装置などを導入し、新しい刃物が開発されました。



試作品2(理容はさみ)


チタンクラッド材の熱間圧延


試作品3(ナイフ)